「一票の格差」を考える

「最優先、最重点、最重要だ」。

これは、野田佳彦総理の、「一票の格差」についての発言です(21日衆議院「社会保障と税の一体改革特別委員会」にて)。
時の総理がここまでの認識をもって取り組む課題なのですから、よほどのことでしょう。
「一票の格差」とは、議員を選出する際の得票数が地域によって差が出てしまうことです。例えば、平成21年の衆院総選挙では、選挙名簿登録者数が最多の千葉県第4区で489,437人に対して、高知県第3区で212,376人でした。
その格差は、2.305倍。
2倍を超える選挙区の数は、46にも及びました。
これが、日本国憲法の第14条に定められた「法の下の平等」に反すると訴訟が起こされ、最高裁で違憲判決も出ています。
違憲状態を是正するのが立法府たる国会の役割、といった次第で、冒頭の野田総理の発言にもつながっているのでしょう。

さて、この「一票の格差是正」に向け、与野党一致団結して選挙制度改革に邁進…というのはなかなか難しいようです。

民主党の輿石東幹事長は、(1)衆院の1票の格差是正のため、小選挙区数の「0増5減」(2)衆院の定数80削減(3)現在11ブロックに分かれている比例区を全国比例に改め、あわせて比例定数の3割を連用制とする――の3点をセットで行うとしています。
(1)小選挙区数の「0増5減」は、山梨県、福井県、徳島県、高知県、佐賀県の小選挙区数を現在の3から2に減らすことです。
(2)定数80削減は、前記の小選挙区5減に加えて、比例代表数を75削減することを意味します。
(3)連用制とは、簡単に言えば、比例代表の得票数により配分される筈の議席から、小選挙区で獲得した議席が差し引かれる制度です。現行の並立制では、小選挙区で多数の議席を獲得した政党が、比例代表でも多数の議席を獲得します。しかし、連用制では、小選挙区で多くの議席を得た政党ほど、比例代表の議席を獲得しづらくなります。

5月23日に衆院選挙制度改革に関する与野党幹事長会談が行われたものの、上記の民主党案に各党拒否しました。比例の75削減というのは、小政党には厳しいものだからでしょう。

ここで、改めて「一票の格差」について考えてみたいと思います。
有権者一人に一票が与えられている訳ですが、実際にはその価値に開きがあるわけです。
確かに、問題でしょう。
この格差を是正すべし、という意見にも頷けます。

一方で、単純に有権者の数字だけをみてもよいのか、という意見もあります。
この一票の格差を、都道府県の議員レベルで考えてみましょう。
例えば、ある県のある地域の人口は県内の約25分の1と少ないものの、面積は県内の4分の1を占めます。
しかし、議席数は全体の50に対してたったの2。
もちろん、有権者数を見れば妥当な数字なのでしょうが、地域の面積からみるとその妥当性に疑問がつきます。
果たして、この議員2名で県土4分の1を占める地域の問題を解決できるのでしょうか。
有権者にとって、それはいいことなのでしょうか。

「一票の格差」については、マスコミ各社が、「是正すべし」の論調ですが、こうした意見があることも無視してはいけないでしょう。

利根沼田から県議会では星野副議長が誕生しました。
利根沼田、群馬県土の約30%を占めるほど、莫大な面積を抱える中で、外国による山林の買収や水源の管理の問題、地球温暖化防止の二酸化炭素の固定、森林環境税など大きな問題があります。

こうしたことも踏まえて、今後も慎重に議論していく必要があるのではないでしょうか。

(金井康夫事務所より)

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